保育園の顔であるエントランスの改修 〜パザパ・田中保育園の場合〜

府中市にある「田中保育園」は、開園して45年という歴史ある保育園。もともとは産婦人科の病院でしたが、保育所として1976年に再スタートしました。

「建物の2階に初代園長が住んでいたんですよ。病院だったこともあって、建物は鉄筋コンクリートで。子どもたちに木のぬくもりに触れてほしいと、エントランスの改修をお願いしました」と語るのは、田中保育園・園長の駒崎千佳子さん。

田中保育園は「株式会社パザパ」の運営する保育園のひとつで、このほかに同じ府中市内に2つの園があります。2019年度から保育指針のなかに「木育」を取り入れることになって、こんな課題が出てきたそうです。

「ほかの2園は比較的新しいこともあって、木材をふんだんに使っているため、建物の雰囲気がぜんぜん違うんですよね。2019年度から3園そろって『木育』に取り組もう! となったときに、田中保育園の子どもたちにももっと木に触れる機会をつくりたいと、エントランスの改修を決めました」

Before

【要望】

木を感じられるエントランスに。木にもいろんな種類があることを子どもたちに知ってほしい。

After

普段子どもたちが触れるところを意識しながら、日本各地から集めた国産材を使用。

カウンターにはサクラを、羽目板にはトドマツを使用。
掲示板はスギ材を、靴箱はタモを使用。
階段のゲートにはトドマツを使用。

「工事をはじめるからと言っても、保育は止められませんからね。Tree to Greenさんには、土曜保育の後かおやすみの日曜日、祝日に工事の対応をしてもらいました。

結局工事ができるのは週末に少しずつ、ということになるんですが、週が明けると子どもたちが一番に『ここが変わってるー!』と嬉しそうに報告してくれるんです。木材を触ったり見たりして『すべすべしてるね』とか『色がちがうね』と違いを発見する様子も見られました」

改修中に、各家庭にお願いしたことがありました。

靴箱に入れるネームプレートの作成です。

ヒノキのネームプレートをやすりで削って子どものお名前を書いてもらう、というもの。

完成したネームプレートは卒園時にキーホルダーなどの記念品に生まれ変わらせます。

「ネームプレートづくりも盛り上がりましたねえ。子どもたちが『うちはこうしたよ』と教えてくれました。送り迎えの際に、エントランスの変身を見ている保護者の方たちも、積極的に参加してくださいました。一度持ってきてほかの子のを見て『やっぱりもう一回作る!』と再度持ち帰った子もいました。各家庭で親子が話し合って、色を付けたりして、カラフルで素敵なネームプレートがそろいました」

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