みなさんは、木に表と裏があるって知っていますか?
もちろん、木にとっては、自分の体に表も裏もありませんから、これは人間が木材として加工する上でのお話ですが…。
DIYで何かを作ろうと考える人はもちろん、身近にある家具を観察する時も、この知識があれば面白さがぐっと増すはず。知っておいて損はありません。
木の裏表
まずは、輪切りにした丸太を見てみましょう。
丸太の外側に近い方が「木表(キオモテ)」、内側の芯に近い方を「木裏(キウラ)」と呼びます。
年輪は中心部から外側に向かって太くなるので、繊維の関係上、年輪が潜り込む木表の方がつるつるで使いやすく、木裏の方が若干ささくれだちやすくなります。
固い広葉樹だと、表と裏どちらで使っても問題ないことはありますが、弊社で使用することが多い、スギやヒノキなどの柔らかい針葉樹では、この傾向は顕著です。
ですので、弊社で針葉樹を家具などに使用する時は、必ずこの木表を上にするようにして制作しています。
木の性質
また、木には、反る性質があります。
木には素晴らしい調湿作用があり、湿気が高いときは湿気を吸ってくれますし、乾燥しているときは保存している水分を吐き出してくれます。
この素晴らしい特徴によって引き起こされるのが、「反り」です。
木は生き物ですから、すべての細胞が均質ではありません。場所によって、反りやすいところ、反りにくいところがあります。
表面に近い方が、水分を多く含み、それゆえ乾燥した時に、反りが大きくなります。
ですので、木表の方向に沿ってしまうのが、一般的です。
特に水分が多い針葉樹ではこの特徴は顕著です。
ご自身でDIYをする機会があれば、是非この知識を元に、組み立てを行ってみてください。
これらの知識があれば、散歩で目にするものの精度がいつもよりあがり、ぐっと面白さが増すかもしれません。
今自分が座っているのは、木の内側かな、外側かな、と観察してみるだけで、公園にあるただのベンチが、生きていた樹だったことを実感できるかもしれませんよ?
以上、木の裏表の説明でした!
他にも、木で聞きたいことがお問合せからぜひご連絡ください!
ではまた次回お会いいたしましょう!