府中市で株式会社パザパが運営する「田中保育園」「みのり保育園」。2020年11月、年長の子どもたちが「植樹体験」の遠足にでかけました。
この2園は2019年度にウッドスタート宣言園※に認定され、木育をさらに深めてきました。Tree to Greenは先生方から「木と樹のつながりを感じ、思いやりの心をもってほしい」という子どもたちへの想いや願いをヒアリングし、遠足のプランづくりをお手伝いしました。
※ウッドスタート宣言園……子どもの健やかな育ちのために森のめぐみとつながる保育環境を積極的に取り入れ、自然に親しむ活動を展開していることを認められた園のこと。
子どもたちと植樹体験に向かった先は、東京都・檜原村(ひのはらむら)。東京都多摩地区西部に位置し、多くの森林地帯が広がります。
Tree to Greenのビジネスパートナーでもある「東京チェーンソーズ」が、植林現場を案内。
「植樹の現場に行くまでが大変でした。ほんとうに林業関係の方が入る深い山道。子どもたちにとってははじめての体験だったと思います。けれど途中でバテたり、不満をもらしたりする子はいませんでしたね。
現場に到着すると、東京チェンソーズの青木代表が映像とともに森のお話をしてくださいました。難しいところもあったのですが、真剣に映像に見入り、お話を聞くことができました。木に対する興味の度合いが一気にあがったような印象でした」
とは、杉林たくま先生。
植樹体験と一言に言っても、大人でも困難な山道とプロの林業家が出入りする現場に行くのです。危険なことはありませんとは言えません。
わたしたちは、先生たちと何度も話し合いを重ね、現場とのコミュニケーションを取りながら、準備を進めました。
「下見にも行きましたね。当初はもうすこし簡単な自然探索をしようという話だったのですが、木育や森の話を聞くうちに、植樹体験をしたい! という気持ちになりました。
もちろん、危険なところに子どもたちを連れて行くリスクを考えなくてはいけません。が、挑戦することは子どもたちにも必要なことだと思います。万全な安全対策をとりながら、Tree to Greenさんをはじめ多くの方に協力していただきながら、かなったことだと思っています」
と、田中保育園の駒崎千佳子園長。
植樹をした木は、30年後に材として活躍してくれる。
現場では「30年後、どうなっている?」と子どもたちと話していました。
「葉っぱが大きくなってると思う」
という自分の植えた木のことを考える子や
「バスの運転手」や「野球選手」、「お医者さん」「パンダの飼育員」になりたいと将来の夢を語る子も。
なかには
「みのり保育園の先生になりたい」という子も!
長い時間のようにも思える30年。木の成長を意識すると、すんなりと未来の話につながるんですね。
駒崎先生は言います。
「これからの社会をつくっていく子どもたちの大事な時期をおあずかりしています。自分たちが選択する道、未来のためにも本物に触れてほしいんです。本当の木に触れる、本当の体験をしてほしい。そこから自分で考え、自分で行動できる子になってほしいです」