クスノキについて

このコーナーでは、私たちTree to Greenが、よく使用する木についての解説をします!


今回のテーマは「クスノキ」
神社や公園で大きな木として目にすることが多く”巨木”として知られています。
一体どんな木なのか、見てみましょう!


木の特徴
クスノキは、クスノキ科に属する常緑高木です。英語名はcamphor treeで、樟脳の英名(カンフル)でもあります。
その由来である強いハッカ(樟脳)の香りはこの木材のもっとも特徴的な性質で、枝や葉をちぎると独特な香りを放ちます
この香りには防虫効果があるため、木製箪笥などの家具類の材料として使われてきました。
病害虫に強く⽣育しやすいため⻑命で、樹高は20~40mになる巨木になります。
そのため、暖地に野⽣するほか、古くから神社などに植えられています。


木の生態
4⽉ごろに橙⻩⾊の新芽をだし、徐々に明るい⻩緑⾊の新芽葉へと変わっていきます。
晩春〜初夏に咲く⻩⽩⾊の花は、1つの花に雄しべと雌しべがある雌雄同種です。
花の後には光沢のある実ができ、10~11⽉ごろ⿊く熟した実は⿃たちの好物で、その糞により種が遠くに運ばれていきます。


クスノキの葉は、葉脈が付け根近くから3本に分かれる三行脈で、
その分かれ目に「ダニ部屋」と呼ばれるフシダニなどが棲む1mmほどのふくらみがあります。
その香りにより大抵の虫は寄り付かないクスノキですが、フシダニだけは共⽣しているというのが不思議なところです。


木材として
クスノキは、香りによる防虫・防臭効果により主にたんすなどの家具によく利用されてきました。
またその効果により、6世紀ごろ仏教の伝来により各地で仏像が作られるようになった時にもその材料として用いられました。


日本書紀にも流れ着いたクスノキで仏像を彫ったエピソードが記されています。
他にも、水の中でも腐りにくいという特性を⽣かして船の材料として使われたり、神社の⿃居としても利用されてきました。
その代表的な例が、広島県にある国の重要文化財に指定されている厳島神社の大⿃居です。
海の中に立つこの⿃居は、正にこのクスノキの特性を⽣かしたものといえるでしょう。


豆知識
実は映画のトトロの住んでいた大きな木のモデルはクスノキだったそうです。
⻑寿命で太く大きくなりご神木としても知られているこの木は、トトロが住むのにうってつけの木だったんでしょうね。
また、じっくりと時間をかけて成⻑し、ついには立派な大木となるクスノキに例えて、
たとえ進み方はゆっくりでも着実に力をつけてやがて学問を大成することを「楠学問」と呼ぶそうです。


すぐに成果を出せないからと言って焦る必要はないし、そもそも自分自身の進歩にはなかなか気づけないもの。
⼦供たちの成⻑も、焦らずおおらかに見守りたいものです。


引用元:庭木図鑑 植木ペディア /森林・林業学習館 他

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